「健康寿命（けんこうじ ゅみょう）」とは日常的に 介護を必要としないで、自 立した生活ができる生存期 間のこと。WHOが2000年 にこの言葉を公表し、平均 寿命から介護（自立した生 活ができない）を引いた数 が健康寿命。2004年のWH O保健レポートでは、日本 人の健康寿命は男性で７２ ．３歳、女性で７７．７歳、 全体で７５．０歳であり、 世界第一位である。「平均 寿命（へいきんじゅみょ う）」とは、個体群（必ず しも生物個体とは限らな い）の各個体の寿命の平均 である。この場合の寿命と はいわゆる「天寿」ではな く、死因にかかわらず生ま れてから死ぬまでの時間で ある。健康寿命について、 平成１３年と平成２２年を 比べると、男性は６９．４ ０年から７０．４２年へと １．０２年、女性は７２． ６５年から７３．６２年と ０．９７年延びています。 一方、平均寿命をみると、 同期間で、男性は７８．０ ７年から７９．５５年へと １．４８年、女性は８４． ９３年から８６．３０年へ と１．３７年延びていま す。
　「健康寿命」とは、いわ ゆる死亡までの期間を意味 する寿命とは異なり、寿命 の中でどれだけ「健康な期 間」があるのか、という尺 度である。平均寿命から介 護（自立した生活ができな い）を引いた数が健康寿命 になる。平均寿命通りに人 生を過ごすとすれば、最期 の男性で約９年、女性は約 13年が「健康ではない寿命 の期間」となる。つまり、 何歳まで自立して健康に暮 らせるかの指標である。80 歳まで生きた人が、介護に ３年、入院に３年を要した 場合に健康寿命が74歳とな る。今後は健康寿命を延ば すことが重要であり、政府 は「健康寿命」を伸ばす戦 略を掲げている。
　平成25年厚生労働省国民 生活基礎調査今後、健康寿 命を延ばしていくために は、栄養・食生活、身体活 動・運動、休養、飲酒、喫 煙および歯・口腔の健康等 の生活習慣の改善、健康を 支える社会環境の整備等に 加え、がん、脳卒中、心臓 病等の生活習慣病予防対策 が必要となってくる。実際 に、公共の場での禁煙推進、 一般人向けの高血圧対策、 循環器リスク集団への積極 的な高圧介入等が健康寿命 の延伸に有効であるとの報 告もある。
　２０１０年の国勢調査の 結果、長野県が男性80．88 歳、女性87．18歳で男女と も１位になり、男性は５回 連続、女性は初の１位に輝 いています。健康ナンバー ワンである長野県のヒミツ を調べてみました。
　厚生省や専門家らがみた 長寿のヒケツは、▼高齢者 の就労率が高く野菜の摂取 量が多い▼食生活改善ボラ ンティアや医師らの地域保 健活動が盛んなことなどが 積み重なった成果ではない か▼公衆衛生に熱心に取り 組んでいる▼長年、生活習 慣病対策などに力を入れ、 がんや心疾患などの死亡率 が他県よりも低い▼地域医 療を丁寧に続けており、１ 人当たりの高齢者医療費が 低い▼高齢者の就業率が高 いほか、公民館活動が盛ん で生涯学習に力を入れてい ることなども影響している かも知れない」とも分析し ています。
　かつては塩分のとり過ぎ で脳卒中で死亡する人が全 国ワースト１となっていた こともあった長野。▼ラー メンやそばなどの汁は半分 残す▼味噌汁は１日あたり 一杯まで▼漬物は一日小皿 ひと皿にしておく、などの 「減塩運動」、具体的な例 を出して県民に呼びかけを しています。県民たちも長 生き運動に取り組んでいる 老後を「ピン・ピン」と元 気に生きて、「コロリ」と 死ぬのをモットーにした 「PPK運動」が有名です。 昭和55年に長野県のとある 町で、健康長寿体操を考案 したのに由来しており、こ の体操をはじめとした老齢 者の体力増強がなされてい る。
　誰にでもあてはまるよう な行為が、寿命に関わって いるかもしれません。
　▼１日１時間座ると寿命 が22分間縮まる／オースト ラリアの国民調査による分 析結果。どれだけ運動をし ても、何時間も座る行為は、 死を早める可能性があるそ うです。
　▼ビタミンサプリメント は死亡リスクが高くなる恐 れも／東フィンランド大と 米ミネソタ大の研究チーム は、死亡リスクを高める可 能性もあり、特に鉄サプリ は総死亡リスクが高くなっ ていると発表している。
　▼お酒を飲まない人は、 飲む人よりも死亡率が高い ／１日２〜３杯のコーヒー を飲む男性は全く飲まない 男性よりも、長生きする確 率が10％、女性の場合は13 ％高い。