薬の瓦版
薬の瓦版=平成27年4月20日= 第19号

以下、テキスト版です。

大田区薬剤師会        薬の瓦版            2015年(平成27年)4月20日(月曜日)     (ほぼ週刊)
発行:大田区薬剤師会
東京都大田区中央3−1−3
アルカディア中央1階
点眼薬を上手に使おう
正しく点眼できていない実態が明らかに
 緑内障など成人の目の病 気が多く発症してくる40〜 60代の男女1,200人を 対象に実施された、点眼方 法に関する実態調査の結果 によると、3割が「目薬を さし過ぎ」、9割が「目を ぱちぱち」など適切に点眼 を行わず4割が「間隔をあ けずに複数点眼」している と答えている。
 点眼薬には、緑内障治療 薬、角膜治療薬、縮瞳薬、 散瞳薬、さらに抗生物質、 ステロイド薬、抗アレルギ ー薬などがある。点眼され た薬剤は結膜嚢の涙液内に 入り、角膜や結膜より吸収 されて眼内の組織へ移行 し、作用を発揮します。副 作用をできる限り回避し、 治療効果を最大限に発揮す るためには、正しい点眼方 法を患者に指導することが 重要である。
1回の点眼量は1滴
 目薬を一旦貯めて置く結 膜嚢は、1滴分の目薬で一 杯になる。
 点眼薬の1滴量は30〜50 μLの範囲内であるのに対 して、結膜嚢の最大保持能 力は約30μL、涙液量は約 7μLであるため、点眼液 量を増やしても大部分は結 膜嚢から眼外へあふれ出る か、まばたきによって涙液 と混じりあい、涙液の流れ と同様に涙点から涙嚢を通 って鼻涙管へ排出されま す。
 したがって、1回滴数を 増やしても、眼内への薬物 の移行量に変化はないた め、洗浄などの目的でない 限り薬効には影響を及ぼし ません。
1分間眼を閉じる
 点眼後は静かにまぶたを 閉じます。この際にまばた きをせず、目頭(涙嚢部) を軽く押さえます。これは 鼻涙管へ薬剤が流れ出るこ とを防ぎ、効果を高めるた めです。
 先の調査で、点眼後、ど のような行動をとるか尋ね たところ、「目をぱちぱち させている」が43.3%(5 20/1,200人)、「し ばらくの間、目を閉じてい る」が30.2%(362/ 1,200人)、「しばら くの間、目を見開いたまま じっとしている」が15.1 %(181/1,200人) など、適切な点眼を行って いない人が合わせて計94. 2%(1,130/1,2 00人)でした。一方、適 切な点眼方法である「しば らくの間、目頭を押さえな がら目を閉じている」はわ ずか5.8%(70/1,2 00人)でした。
 「目をぱちぱちさせてい る」理由としては、「目薬 が目全体や患部に行き渡る と思うから」が最も多く88 .3%(459/520人)、 「目薬が目の外に流れ出る のを防ぐため」が9.0% (47/520人)でした。
間隔は5〜10分
 2種類以上の点眼薬は5 分〜10分程度の間隔をあけ ます。先に点眼した液が後 に点眼した液によって洗い 流されるのを防ぐことが目 的ですが、結膜嚢内の涙液 が完全に置き換わるのに約 5分かかることに注意が必 要です。複数の点眼液を使 用する場合の点眼順序につ いては、多くの場合、決ま りはありませんが、あえて 点眼順序をつけるならば、 原則としてよく効かせたい 方を後に点眼します。特に 医師から指示が出ている場 合は、それに従います。
 油性の点眼薬や眼軟膏 は、必ず最後に使用する。 例えば、持続性点眼薬と呼 ばれる目薬(チモプトール XE、リズモンTGなど) は目の表面で薄い膜を作 り、他の目薬の吸収を低下 させるため、目薬を指す間 隔を5分以上あけてから最 後にさすと良い。
 懸濁性点眼薬と呼ばれる 目薬(使用する前に振るも の)も、製剤上の理由から 後からさす方が良い。懸濁 性点眼液は水に溶けにくく 吸収されにくいものもある ので、後に点眼することが 望まれます。また、ゲル化 する点眼液では、他の点眼 液と相互に影響を受ける可 能性があるため最後に点眼 し、投与前も10分間の間隔 をあける必要があります。 やむを得ずゲル化する点眼 液の後に他の薬剤を点眼す る場合は、十分な間隔をあ けるようにする必要があり ます。
あふれた点眼液は?
 あふれた点眼液は、その 成分や添加剤によりまぶた などに炎症を起こす可能性 がある。
 また、緑内障治療薬のな かでプロスタグランジンF 2α誘導体に分類されるも のは、点眼液による虹彩や 瞼への色素沈着やまつ毛が 濃くなることが知られてお り、点眼後にきちんとふき 取るか、洗顔することが重 要です。



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