薬の瓦版
薬の瓦版=平成26年12月15日= 第5号

以下、テキスト版です。

大田区薬剤師会        薬の瓦版            2014年(平成26年)12月15日(月曜日)     (ほぼ週刊)
発行:大田区薬剤師会
東京都大田区中央3−1−3
アルカディア中央1階
保湿剤を上手に使おう
=シリーズ正しい薬の使い方=
 保湿剤によるスキンケア は、季節に関係なく、年間 を通じて続けることが大切 です。保湿剤を正しく塗っ て、皮膚を守りましょう。
 健康な皮膚には角層のバ リア機能があり、水分の蒸 発や外からの刺激を防いで います。しかし、皮脂、天 然保湿因子、角質細胞間脂 質といった物質が不足して 皮膚が乾燥した状態(ドラ イスキン)になると、角層が はがれてすき間ができ、外 からの刺激を受けやすくな ります。
 次号と2号連続でスキン ケアについて考えてみま す。
皮膚の状態にあわせた選択
 実際に外用剤を皮膚に適 用する場合は、紅斑や水疱 などの皮疹の有無に合わせ て基剤を選択する必要があ ります。皮疹が生じて皮膚 欠損や分泌物があれば経皮 吸収性が高まる可能性があ るほか、基剤によっては刺 激などの局所性副作用が起 こる可能性があるためで す。皮疹と基剤の使い分け の一例を表に示します。
 「水疱」、「びらん」、 「潰瘍」などの分泌液が多 い湿潤面では、吸水性の高 い基剤である水溶性基剤が 適します。皮膚の状態によ って基剤を選択する上で、 油脂性基剤は刺激性が低 く、湿潤面でも乾燥面でも 用いることができるため、 最も適用しやすい基剤。た だし、べたつき感があり使 用感が悪いという欠点があ ります。
 このような皮膚の状態に 応じた基剤の選択は、刺激 性などの副作用の軽減や患 者さんのコンプライアンス の向上を目的としていま す。ライフスタイルなどの 個々の患者さんに合わせた 使い分けが必要です。
 
塗布と塗擦
 擦り込んで使用するのが 「塗擦」で、撫でるように 塗るのが「塗布」です。
 一般に、すり込む「塗擦」 の方が「塗布」よりも薬の 皮膚濃度は高くなる。その 理由は明確に分かっている わけではないが、擦ること で皮膚組織がダメージを負 い浸透力が高まる、あるい はマッサージ効果で実感と して効果が上がるといった ことが考えられている。
 そこで保湿薬や消炎鎮痛 薬では「塗擦」することで 効果の増強を期待し,ステ ロイド外用薬、などでは「塗 布」することで、副作用を 防止したり皮膚に刺激を与 えないようにするなど使い 分けています。また、皮膚 表面に疾患がある場合は 「塗布」で皮膚内部に疾患 がある場合を「塗擦」とす ることがあります。
 たかが軟膏の塗り方とい えど、安全で効果的な使用 のためにもう一度使い方の 説明をよく聞いてみて下さ い。
ステロイド外用薬使用のポイント
◆急性病変(接触皮膚炎、虫刺症など)は強めのものを用い短期間に治癒へ持って行く
◆小児、老人は弱めに
◆小児においても顔面に短期間very strong クラスのステロイド外用薬が必要となることもある
◆前額部の苔癬化病変には長期間very strongクラスのステロイド外用薬が必要となることもある
◆顔面、特に口囲、頬部は特に副作用に注意
◆注意深い経過観察が局所副作用を未然に防ぐ
◆部位によって使用しやすい剤型を選択



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